皆様、あけましておめでとうございます。
昨年度は多くのお客様から修理のご依頼を頂き、とても感謝しています。
本年も誠意のある修理作業をしてまいりますので、宜しくお願い致します。
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さて、2012年度の投稿第一弾は、月並みになってきた感のある再リフローだ。
修理したのは2003年春モデル・AMDプラットフォームのBIBLO/NBシリーズ。
今回修理した機種はシリーズ後発のモデルの様で、カタログには掲載されていない。
FMV BIBLO NBシリーズ仕様
CPUがAthlonXP1600+から1800+に変更されている。モデル番号通りという所かな。
症状は毎度おなじみ、電源は入るがCPUファン以外の反応が全くない状態。
ATIとNVIDIA製のチップセットでこの症状の時は、殆どチップセットの半田クラックと考えて間違い無いだろう。
分解して行くとキーボード下に古いコーヒーをこぼした跡があったがM/Bまでは達していなかったので原因からは除外。
症状からノースのIGP320Mが逝っている可能性が大きいので再リフロー作業をし、仮組みで電源をいれてみると無事BIOSがあがった。
サウスブリッジは懐かしのAli製M1535だ。その右横にあるのがFUJITSU独自のACPI制御チップ。
余談だが、他社製、又はOEMバージョンのWindowsをクリーンインストールすると「不明なデバイス」としてこのACPIデバイスが表示されてしまい、悩む事がある。
富士通のUSサイトから単体でこのチップのドライバーがダウンロード出来るので覚えておくと良い。
最後にハンダ剥離再発防止のためIGPの熱対策を行った。
元からキーボード下の鉄製フレームの一部がIGPの上に被さる様に折り曲げてあるが1~2mmの隙間がありIGPに直接接触していない。
本来ならばIGPに密着させて、熱を逃がす構造なのではないかと思う(推測です)
大した放熱は無いと思うが、念の為IGPと鉄板の隙間にアルミシートを押し込み密着させ、振動で動かないようにシリコングリスを流し込み固定した。
この状態で暫く負荷動作させてみたが、熱がうまく伝わってフレームの鉄板が暖かくなる。これにて作業終了。
再リフロー修理の場合、作業の後に出来る限り原因部分の放熱・冷却対策をしておかないと、かなりの確率で再発の可能性があるので注意したほうが良い。