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記事一覧

Dell OptiPlex GX270 コンデンサー交換

以前、不良コンデンサー問題で話題になった2003年発売のスリム型デスクトップ。もうすぐ発売から10年が経とうとしている。
企業ユーザーも多い機種だが、今回のGX270も某大企業の製品検査システムで使用されているようだ。

ファイル 78-1.jpg ファイル 78-2.jpg

ご覧の通り、CPU周りやメモリ周りの電源回路のコンデンサの殆どが膨張・破裂している。交換したのは計15本。
見た目問題無くても同回路・容量のコンデンサを全てSUNCON製へ交換した。

ファイル 78-3.jpg ファイル 78-4.jpg

苦労したと言う訳ではないが、イライラしたのがクーラーのリテンションの脱着作業。
樹脂製のプッシュピンで止めているのだが、年数が経った物は硬くなり割れてしまう事もある。
外さないでも交換作業が出来無い事はないが、どっちが良かったかは微妙・・。何とかピンを破損せずに脱着できた。

ファイル 78-5.jpg

コンデンサー交換後は無事起動した。

それにしても、ここまで酷くなる前に症状が出なかったのだろうか・・OSや基幹プログラムのフリーズなどが頻繁に起きていたはずだ。

これ以上酷くなると、MOS-FETやショットキーダイオード等のチップ類の破損・焼損に繋がる可能性が大きいので、「挙動がおかしい」と感じたらなるべく早く修理に出して欲しい。

Dynabook AX/550 メモリ増設 CPU交換

表題ほど大した改造ではないが、「PCを少しでも速くしたい」というご希望のお客様からの依頼作業。ご存じの方も多いと思うが、DynabookはオリジナルBIOSと独自のハードウェア管理ソフトによりパーツ変更に制限の多い代表格のPCである。

http://dynabook.com/pc/catalog/dynabook/050602ax/spec.htm

今回の変更はメモリ増設とCPUの変更。対コストで体感できる速さのスペックアップが出来るかどうかが問題。
本当はHDDをSSDに載せ替えるのが一番速さを体感できるはずだが、そこまでコストを掛ける事ができるのかが微妙な年式のPC。

まずはメモリ増設だが、すでにメーカーが謳っている1280MBまでは御客様自身ですでに増設されている。
増設スロットで1GBモジュールが問題なく認識されるのは分かっているので2GBまでは確実に増設できるはず・・と言う確信を基にM/B上面に組み込まれている256MBモジュールを1GBに変更した。

このPCの場合、CPUの交換よりも既存のメモリモジュール交換の方が大変な作業だ。
アッパーパネルまで外さないとメモリ交換ができない。
殆どM/B交換と同じ位まで分解することになる。

ファイル 77-1.jpg ファイル 77-2.jpg

コストを抑えるため、バルク品の1GBモジュールを取り付けたが問題無く認識され、合計2GBまで増設できた。

次はCPUの変更。
オリジナルはDothanコアのセレ360だが当然、同コアのPentiumMへ変更したい所。
しかしBIOS側でSpeedStepに対応していなければ載せ替えは出来ない・・というか出来ても正常に動作しないので意味が無い。

試しに検証用のPentiumM/755へ載せ替えてみた。
認識はされ動作もするが案の定、BIOS側でSpeedStepに対応していない為、WindowsではFSBが最低倍率でしか動作せず諦めた。
まあ分かっていた事だが・・。さすが東芝さん。

最終的にCeleron380/1.6GHzへの変更に落ち着いた。本来ならば最上位のDothan390にしたい所だが、入手が難しい。
メーカー製PCでもCeleron390を搭載したPCが見当たらないので、当然ヤフオクなど中古市場でも出てこない。

ファイル 77-3.jpg ファイル 77-4.jpg

あと、380に交換するとBIOSの設定項目にDisable Bitの設定項目が表示されるようになった。(360の時はCPUが対応していない為なかったと思う。違っていたらすみません)

各状態でのベンチ比較は下記の通り。
ひよひよさんのCrystalMark2004 R3を使って計測した。
HDDとVideoの計測値は多少は違うと思うが時間がかかるので省略した。

< オリジナル Celeron360 + 1280MB >

CrystalMark : 14397

[ ALU ] 5257
Fibonacci : 1976
Napierian : 954
Eratosthenes : 824
QuickSort : 1481
[ FPU ] 6491
MikoFPU : 627
RandMeanSS : 3607
FFT : 1100
Mandelbrot : 1135
[ MEM ] 2649
Read : 1345.86 MB/s ( 1345)
Write : 368.70 MB/s ( 368)
Read/Write : 353.12 MB/s ( 353)
Cache : 5613.63 MB/s ( 561)


< 変更後 Celeron380 + 2048MB >

CrystalMark : 16242

[ ALU ] 6024
Fibonacci : 2254
Napierian : 1095
Eratosthenes : 943
QuickSort : 1710
[ FPU ] 7435
MikoFPU : 714
RandMeanSS : 4133
FFT : 1265
Mandelbrot : 1301
[ MEM ] 2783
Read : 1410.56 MB/s ( 1410)
Write : 362.07 MB/s ( 362)
Read/Write : 348.59 MB/s ( 348)
Cache : 6411.65 MB/s ( 641)

改造後の体感的な違いは、ある程度はある・・という感覚だろうか。
かなり速くなった、とまでは行かないが、効果はあったと感じるレベルだろう。

あくまで個人的な感想ですので、参考までに。

Vista SP1のインストールに失敗 起動しない

今回はOSトラブル編。ハードには依存していない修理だと思う。ネットで検索すればこのSP1インストール時のトラブルは多く書かれているし、中々根が深い。
諦めて泣く泣くクリーンインストールを選択した方々も多いのではないかと思う。

持ち込まれたのはMouseComputer製EGP631DR80BというミニタワーPC。名前の通りCPUは第5世代Pentium4/CedarMillが搭載されている。M/BはECS製P4M900T-MでVIAチップセット(P4M900 / 8237A)のモデル。
カーソルの点滅する黒い画面でストップして、セーフモードにも入れない状態。

http://www.mouse-jp.co.jp/company/news/2007/news_20070117_01.html

http://www.keian.co.jp/products/products_info/p4m900t_m_1/p4m900t_m_1.html

ファイル 76-1.jpg

まずHDD(Seagate/80GB)のハードウェア検査から始めてみると、数セクタがクラッシュしていたのでセクタ修復後にHDDのイメージをバックアップする。
先にイメージを取っておかないと、何か起きて修復不能になった時に再インストールしか手段が無くなるからだ。

ファイル 76-2.jpg ファイル 76-3.jpg

Vistaの回復コンソールからスタートアップの修復を行い、再起動してみるが、0x0000C1F5ブルースクリーン。
やれやれ・・・(^_^;)相変わらずセーフモードもまだ入れない状態だ。

インスールされているドライバーのログファイル$TxfLogが破損し、整合性がとれていないのが原因らしい。
MSによればドライブを取り外せと言う事らしいが、システムドライブなのに、そんな事言われても・・外したくても外せない。

という事でKnoppixでブートしてコンソールを使いログファイルを削除し、無事Vistaは起動した・・・。そしてサービスパックのインストールの途中からスタート!・・と思ったら完了出来ずに今度は黒画面の0xc0000034でフリーズ。(^_^;)

ファイル 76-4.jpg

いいかげんにしてくれ~。

http://support.microsoft.com/kb/975484/ja

上記を参考に、回復コンソールからレジストリを修正した。
再起動後はサービスパックの削除(インストール中止)から始まる。

ファイル 76-5.jpg

これで何とかSP1インストール前のデスクトップが表示されるまでに至った。

再度起動している状態のイメージを取り直し、Vista(HomeBasic)の修復インストールを行い、SP2まで無事アップデートが完了した。
なんとか既存のプログラムやデータを損ねずに作業を終えることが出来た。

しかし、なんと長い道のりだったか・・ハードのトラブル修理の方が数倍作業が楽だ・・
(だいぶ端折って書いているので、この他にも色々と作業してます。文章嫌いなので・・)

それにしてもVista以降のWindowsは「OSが起動している状態からしか修復インストールが出来ない」と言うのは今回の様なケースの場合、非常に困るのだが・・。

http://blogs.technet.com/b/askcorejp/archive/2010/10/15/windows-7-quot-quot.aspx

この記事を見る限りWindowsのROM起動からの修復インストールは今後も出来ないのだろうなあ・・。

Sotec DS3030 電源が入らない

3年ほど前にCPUなどをアップグレードしたお客様からの修理依頼。
その時はオリジナルモデルのCeleronDをCore2DuoE6600に変更しRadeon3450のボードを追加した・・などなど。M/BはECSのOEMだ。945チップセットなのでCoreアーキテクチャのCPUに対応している。

http://pc-support.jp.onkyo.com/upfile/HARDWARE/SPECSHEET/DS3030_SPEC.htm

ファイル 75-1.jpg

写真の通り原因はヒートシンクの目詰りによる熱暴走かと思ったら大きな間違いだった。
電源ユニットが完全にアウト。分解してみると2次側の平滑コンデンサがほとんど膨張しているし、サイドが焼けただれているものもある。

ファイル 75-2.jpg ファイル 75-3.jpg

おまけに冷却用のファンが回らない。ファン自体は壊れていないが、ファン電源制御用の基板が熱で逝ってしまっているようだ・・。

とりあえずコンデンサを交換後、CPUクーラーを清掃して電源を入れてみると、無事起動した。念の為、ファンも新品のモノと交換。
さて、ファンの電源をどうするか・・・。

12Vのラインから配線を分岐させて電源をとっても良かったがM/Bにケースファンの3Pコネクタが一つ空いていたのでこれを利用することにした。
その方が、もし何かあった時(あると困るけど)対応しやすいだろう。

ファイル 75-4.jpg ファイル 75-5.jpg

ファンのケーブルはユニットから引き出して配線する。

このTFX電源(FSP250-50SAV)はネットで調べると良く壊れるらしい。ヤフオクなどでも動作品が結構出品されているが新品ではないので同じ事が起きる可能性は高い。

Mouse Computer KDS7550R 起動しない

2009年に発売されたマウスコンピューター製BTOパソコン。iiyamaディスプレイとセット販売されたモデル。
CPUはCore2Duo/E7500でHGSTの500GB/HDDのスリムケースPC。

http://www.mouse-jp.co.jp/company/news/2009/news_20090626_04.html

ショップブランドと変わらない自作PCのような物で、M/BはECSのG31T-Mが採用されている。SOTEC(現ONKYO)などのPCでも使われていたローコストM/Bで以前の修理記事でも書いたと思う。

http://www.keian.co.jp/products/products_info/g31t-m_1/g31t-m_1.html

ファイル 74-1.jpg

起動しない原因は電解コンデンサの膨張だ。特にメモリ周りの6.3V/1000μFコンデンサ(東信工業製)が劣化している。
同じ規格品の持ち合わせがなかったので6.3V/820μFと合計4本交換した。

ファイル 74-2.jpg ファイル 74-3.jpg

交換後は無事起動して修理完了。

ファイル 74-4.jpg ファイル 74-5.jpg

2009年といえば、たった2年程前・・この頃はどこのM/Bメーカーも液体でなく固体コンデンサを採用している時代だが、1円でもコストを下げなければ業界で生き残れない価格競争の弊害なのだろうか・・・。
全く厳しい世の中ですねぇ。