今回はInspiron5150で起こった不具合だが、Dell製で他のノートPCでもよく起こる不具合のようだ。
PCにACアダプタを繋いで起動してもBIOS起動後に下の画像のようなメッセージが表示され、バッテリーが充電されない症状。
BIOS画面でもバッテリーの状態を示す画面でACアダプターが認識されずタイプが「Unknown」と表示されている。
DellのACアダプターは3Pinのモノが多く、コネクター部分の真ん中細いセンターピンがACアダプターのID情報を認識するためのラインになっている。
ACアダプターの内部にはID情報を提供する為のEPROMが組み込まれていて、起動時にPostControllerがこのチップにアクセスしてID情報を読みに行く仕様になっている。
分解すると分かるが、一件普通のトランジスタのように見えるTO-92パッケージの部品がEPROMで、とてもメモリには見えない。
このチップはMAXIM製(旧DALLAS)DS2501という512ビットの容量タイプだが1MビットのDS2502という仕様もあるようだ。
売りは「1wire-Protocol」という1本の信号線でデータ受け渡しを行いデバイスの制御が出来る事らしいが、DELL製ACアダプターの場合これが結構仇になっているのも事実。
このアダプターの場合、信号線はEPROMに直結になっていて保護回路が入っていない為に、静電気など過電圧に弱くROMが飛んでしまう事が多いとの事。
海外ではこれがクレーム訴訟になりかけたそうだ。
今回もまさに同様の症状・原因で、互換ACアダプターに交換すると問題無く動作した。
ちなみに、このチップはEPROMなのでROMライターで情報を書き込まなければ意味が無く、チップを交換しただけでは正常に動作しない。
間違ったACアダプターを繋いでしまうのを防ぐ手段としては、中々面白いアイデアだとは思うが・・
ユーザーとしては迷惑千万・・ですね。