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記事一覧

Hitachi DK23EA-60 ヘッドクラッシュ

ヘッドが移動するカックン音がするだけで、ファイルシステム領域を読み込めない状態のHDD。
かなり厳しい物理障害だが、BIOSからは認識されているので何とかなるかも知れないと言う事でデータ復旧作業を受けさせて頂いた。

データを救い出せるチャンスは「1度限り」と思って間違いない状態。
ちなみにこのHDDは60GBの容量で、プラッタは40G×2枚/3ヘッドの構成になっている。

ファイル 88-1.jpg

データ復旧ソフトが$MFTを読みに行く瞬間にヘッドに「喝」を入れると、何とかアクセスするようになる。♪
このカツを入れるタイミングが重要なポイントなのです。汗

HDDデータ復旧作業中の動画です。

個人フォルダは全てデータ復旧が出来たのが不幸中の幸い。
ファイル名が取得できずに名前が文字化けしたファイルもあったが、データ自体は大丈夫だった。

シーク音を聞いて分かって頂けると思うが、この後このHDDは完全に逝ってしまいました。…

ECS 945GCT-M 電源が入らない

多くの中小PCメーカー(ショップブランドなど)で採用されていたECSのOEM版マザーボード。
当然ECSからも正規品として発売されていたが、今回の修理品はMouseComputer製のNJ-SL4432Bというノジマ電気向けBTOモデルで使われていたもの。

ファイル 87-1.jpg

これは正規品の画像。
電源を入れても無反応ということで修理に持ち込まれた。

パッと見てもチップセット/PCIバス周りのコンデンサーが2本膨らんでいたが、これが原因で無反応とは思えない・・?
バラしていくと、VRM出力側のコンデンサー(Toshin 4V/680μF)が4本下側から抜けている。
CPUクーラーの下に隠れているので外からは見えない。まして防爆弁パターンが無く下側から抜けて爆発してるので尚さら判らない。
これじゃあVRMコントローラーの保護回路が働いて無反応になるわけだ・汗

ファイル 87-2.jpg

出力側のコンデンサーはアルミ電解4V/680μFが4本と固体電解560μFが2本の変則的な構成。
おそらくコストと高さの制限(ヒートシンクに当たる)の為だと思うが・・。
ボード上には8Φ×2と6Φ×1の空パターンがあり設計上はここにも680μFが付く事になっているようだ。

ファイル 87-3.jpg

さて、コンデンサー交換・・と行きたかったが、困ったのは高さ制限。
ボード表面から10mmまでが限界かな・・。かと言ってこんなボード(失礼)に固体をつけるのもアホらしい。
っていうか、固体でも思ったような規格/サイズが無い。うぇーん

考えた挙句、Suncon6.3V/820μF×6を取り付け、コンデンサに当たる部分のヒートシンクを平ヤスリで削る方法を取った。

ファイル 87-4.jpg

中々の出来栄え。インテリでも、思った以上に大変な作業でした。
CPUはCore2/E4400なので削っても放熱に関しては全く問題ないと思う。

最近はTK製コンデンサーの不良交換が多いので、念のために入力側のコンデンサー(TK製16V/1800μF)もSuncon製に交換した。

ちなみにVRM(PWM)コントローラーはISL6312で4フェーズ対応。
ただ、1系統はPWM信号の出力だけでMOS-FETドライバーは別途必要みたい。
実質3フェーズで使うチップなのだろう。

ファイル 87-5.jpg

各フェーズのハイサイド/ローサイドはMOS-FET×2パラで構成されていて、各チップの負荷を下げているようだ。
面実装せず直立で付けられているのが安物という感じ・。蒼ざめ

LX50X/D DigitalTVBox 起動に失敗

FUJITSU製地デジTVチューナー内蔵の一体型PCで、他の同シリーズ同様、電源ユニットの不具合で起動しなくなるトラブルの多い機種。

LXシリーズの仕様はこちらからどうぞ

今回も電源の修理で持ち込まれ、PCは起動するようになったが、地デジも見られなくなってしまったので一緒に修理できないかという相談。

チューナーボードはPIXELAのOEMだろう。
エラーメッセージは「起動に失敗しました。ご使用の機種をお確かめ下さい。」と表示され、DigitalTVBoxが起動しない。

ファイル 86-1.jpg

リカバリー後に、ソフトのアップデータをDLし、摘要してもエラー症状が変わらない。デバイスマネージャーからもボードは正常に認識されエラーは無い。
OEM製品なので、純正品かどうか起動時にBIOSのDMI情報をチェックしに行っている感じだが、BIOSには・・

ファイル 86-2.jpg

なんだこりゃ?あ然
ゼロのオンパレード!

これがソフトの起動しない原因かどうかは分からないが、BIOSを書き換えてもベンダー情報はゼロのまま。
試しにレジストリのシステム情報も書き換えてみたが、再起動するとNullに戻ってしまう・・当たり前か・。滝汗
富士通のサポートサイトを見ても、このエラーに関しての情報は無いようだ。

という事で、無責任だが今回はお手上げの状態・・。
手間隙を掛けるより、別のチューナーボードを入れた方が良い気がする。

コンシュマー向けVistaのサポートも2017年まで延長された事だし、まだまだ使える機種なのでメーカーに早く対応してもらいたいトラブルでした。

Linkstation データ復旧・サルベージ

今や一般的に家庭でも手軽に使われているネットワークストレージ(NAS)デバイス。BuffaloのLinkStationシリーズはその最たるモデルだろう。
私も個人的に玄人志向の玄箱(KURO-BOX)とHD-LANシリーズを未だに使っている。

最近のモデルは知らないが、数年前のモデル(HD-LANシリーズなど)は電源部分がかなり熱くなり、それが原因で基板が損傷しNASにアクセス出来なくなったり、HDDがクラッシュしてしまうケースが多い。

ファイル 85-1.jpg

この写真の場合も、お世辞にも精密機器にとって良い環境で使われていたものではなく、土埃で排気ファンがダメになり加熱してクラッシュしてしまったもの。

元々の設計が良くない?様で、かなり熱が筐体内にこもってしまう。後々のトラブルを避けるためにも、この手の小型の外部ストレージデバイスは電源部分がACアダプターなどで本体とは別になっているタイプをオススメする。

データ復旧に関しては、HDDのPCB(基板)が生きていれば一般的にKnoppixなどにマウントしてファイルをコピーすれば良い。
ただし、日本語ファイル名が付いたファイルは文字化けしてしまいコピー出来ない場合もあるが、これもsamba.confを書き換えれば回避できる。

ファイル 85-2.jpg

最近ではWindowsにLinuxやMacのファイルシステムをマウントできるソフトウェアもあるので、一般的にはこちらのほうが簡単だろう。
今回はWindows上でxfsファイルシステムをマウントしてファイル復旧をした。日本語名ファイルも問題無く認識してコピーが可能。

もはや論理障害程度では修理屋は必要無いということでしょうか・びっくり

Dimension5150C 熱暴走

あっという間に2月に突入。ブログを更新しなきゃと思いつつ、筆不精も手伝って久しぶりの投稿です。1月は「これ」と言った面白い修理作業も少なく、平穏無事な忙しい日々を送っていました。

今回は熱暴走を起こしてクラッシュした5150Cの改造作業。
玄人志向のHD5450ボードを取り付けようとして、OSがクラッシュしてしまったので見て欲しいという案件。

Dimension5150C カタログ

このPCはNetBurst系CPU向けにBTX規格で設計された筐体なので、フロントの吸気口が埃で塞がれてしまうとケース内が高温になり、一発で電源が落ちて最悪OSがクラッシュしてしまう可能性がある。

ファイル 84-1.jpg

追加で他のCPUに交換ができないか・・と言う相談も頂いた。
Intel945自体はCore2/65nmアーキテクチャに対応している。だが、この機種はBIOSで制限をかけているのでPrescottまでしか搭載できない。

現在はPentiumD/820が付いているが、これ以上の発熱は筐体に無理があるし、CedarMill/D0ステッピングのP4が動作したとしても、発熱は抑えられるが処理能力は下がると思うのでCPU換装は諦めて頂くことにした。

ファイル 84-2.jpg

極力コストを掛けないでという要望だったので、OSをXPからVista Businessに変更(これはお客様のご意向です)、メモリを2GBまで増設、HD5450を取り付けして終了。

そうそう、作業の際に電源ユニットを分解して不思議に思った事があった。
この電源、冷却用に付いているファンの取付方向が逆ではないのだろうか??

通常は外部に排気する方向になっていると思う、でも、この電源ユニットの場合、リヤから吸気してケース内に排気する仕様になっている。

BTXの設計指針をみると、「2つのファンで吸気」とは書いてあるが、電源ファンの向きについて特に謳ってはいない。熱いケース内にわざわざ発熱パーツから熱風を送るのは如何なものだろう・・

試しに、逆方向にファンを付け直して動作させてみると、かなり熱い温風が電源ユニットから外に排気されるので、個人的にはこの方が明らかにシステムの為には良いと思う。

まあ、元々この大きさの筐体でNetBurst系のCPUを使うこと自体に無理があるけど・・。