多くの中小PCメーカー(ショップブランドなど)で採用されていたECSのOEM版マザーボード。
当然ECSからも正規品として発売されていたが、今回の修理品はMouseComputer製のNJ-SL4432Bというノジマ電気向けBTOモデルで使われていたもの。

これは正規品の画像。
電源を入れても無反応ということで修理に持ち込まれた。
パッと見てもチップセット/PCIバス周りのコンデンサーが2本膨らんでいたが、これが原因で無反応とは思えない・・
バラしていくと、VRM出力側のコンデンサー(Toshin 4V/680μF)が4本下側から抜けている。
CPUクーラーの下に隠れているので外からは見えない。まして防爆弁パターンが無く下側から抜けて爆発してるので尚さら判らない。
これじゃあVRMコントローラーの保護回路が働いて無反応になるわけだ・

出力側のコンデンサーはアルミ電解4V/680μFが4本と固体電解560μFが2本の変則的な構成。
おそらくコストと高さの制限(ヒートシンクに当たる)の為だと思うが・・。
ボード上には8Φ×2と6Φ×1の空パターンがあり設計上はここにも680μFが付く事になっているようだ。

さて、コンデンサー交換・・と行きたかったが、困ったのは高さ制限。
ボード表面から10mmまでが限界かな・・。かと言ってこんなボード(失礼)に固体をつけるのもアホらしい。
っていうか、固体でも思ったような規格/サイズが無い。
考えた挙句、Suncon6.3V/820μF×6を取り付け、コンデンサに当たる部分のヒートシンクを平ヤスリで削る方法を取った。

中々の出来栄え。
でも、思った以上に大変な作業でした。
CPUはCore2/E4400なので削っても放熱に関しては全く問題ないと思う。
最近はTK製コンデンサーの不良交換が多いので、念のために入力側のコンデンサー(TK製16V/1800μF)もSuncon製に交換した。
ちなみにVRM(PWM)コントローラーはISL6312で4フェーズ対応。
ただ、1系統はPWM信号の出力だけでMOS-FETドライバーは別途必要みたい。
実質3フェーズで使うチップなのだろう。

各フェーズのハイサイド/ローサイドはMOS-FET×2パラで構成されていて、各チップの負荷を下げているようだ。
面実装せず直立で付けられているのが安物という感じ・。